2020年に発生した新型コロナウイルス感染拡大によって、年単位で交流は閉ざされ、密を避ける異例の生活が始まりました。多くの産業が経済的に大打撃を受け、タクシー業界も厳しい状況に追い込まれたのも事実です。
しかし2020年以降のコロナ禍でもタクシーはエッセンシャルワーカーとして稼働し続け、食品のデリバリーや買い物代行、お墓参りサポート、ワクチン配送、医療従事者の送迎といった独自の新しいサービスを展開してきました。その結果、コロナ禍でも新卒採用や中途採用が可能な状態ではありました。
アフターコロナ生活がスタートした2023年は、コロナも5類感染症移行し、マスク着用の義務が解除され、海外からの観光客や訪日客が再び増え始めています。少しずつコロナ前の日常に戻りつつある今、街にも海外からの観光客が増え、タクシー利用者の増加やタクシーの需要回復などが期待されています。今回は平常に戻りつつあるアフターコロナ生活の中で、インバウンド需要によるタクシードライバーの重要性について解説します。
国土交通省によると、訪日外国人旅行者数は2003 年の521万人からほぼ右肩あがりで増え続け、コロナ前年の2019年には3188万人に達しました。海外の観光客が日本各地のさまざまな観光地や名所で“爆買い”する様子も、ニュースなどで報じられていました。タクシー会社も海外からの観光客向けの観光サービスや送迎などを行ってきました。
しかし2020年からはコロナの影響で、前年の3188万人から412万人(2020年)と一気に激減。さらに2021年は25万人という状況でした。回復の兆しが見え始めた2022年は383万人と少し増えたものの、コロナ前と比べるとインバウンド需要が圧倒的に少なくなっていました。
しかし日本政府観光局によると、2023年は訪日外客数が回復。この6月だけで207万3300人の外国人が日本を訪れています。2020年2月以降、初めて200万人を突破しました。さらに、2023年1月~6月までの累計は1071万2000人で、上半期時点ですでに1000万人を超えています。
台湾をはじめとした東アジア地域において訪日外客数が増加し、欧米豪中東地域でも2019年同月比を超える回復を見せています。国際線定期便が2023年夏のダイヤ時点でコロナ禍前の約6割まで運航便数が復活し、東アジアを中心に増便・復便が続いていることから、今後も多くの訪日外客数が見込まれるでしょう。
また日本政府は、コロナ禍で落ち込んでしまったインバウンド消費を回復するため、2023年度に「観光立国推進基本計画」を閣議決定しました。訪日外国人旅行消費額5兆円、国内旅行消費額20兆円の早期達成を目指すとともに、2025年までに、持続可能な観光地域づくりに取り組む地域数100地域、訪日外国人旅行消費額単価20万円/人、訪日外国人旅行者一人当たり地方部宿泊数2泊等の目標を掲げています。
インバウンド回復目標として、
・訪日外国人旅行消費額:早期に5兆円(令和元年実績値:4.8兆円)
・訪日外国人旅行消費額単価:令和7年までに20万円(令和元年実績値:15.9万円)
・訪日外国人旅行者一人当たり地方部宿泊数:令和7年までに2泊(令和元年実績値:1.4泊)
・訪日外国人旅行者数:令和7年までに令和元年水準超え(令和元年実績値:3188万人)
・日本人の海外旅行者数:令和7年までに令和元年水準超え(令和元年実績値:2,008万人)
・アジア主要国における国際会議の開催件数に占める割合:令和7年までにアジア最大の開催国・3割以上(令和元年実績値:アジア2位(30.1%))
と定めています。
コロナ禍の規制が緩和されたことや、日本政府がインバウンド回復に力を入れていることから、今後、今以上に訪日外国人が増えることが予測されます。また現在は円安にも拍車がかかっているため、外国人にとっても来日しやすい状況が整っています。また海外から日本を訪れるビジネスパーソンも増えていくでしょう。
そんな中で重要になってくるのがタクシーです。観光地の案内だけでなく、空港や主要駅、ホテルや旅館などへの送迎も増えていくと考えられます。
このコロナ禍でタクシーも、アクリル板や空気清浄機の導入はもとより、コロナ対策に対応した「ニューノーマルカー」を取り入れ、進化してきました。キャッシュレス決済やアプリ配車も増加し、訪日外国人にとっても利用しやすいタクシーに変化しています。
インバウンド需要の回復が見えてきた今、日本の観光を支えるタクシードライバーの存在は貴重です。
これからタクシー業界で活躍したい方や、タクシードライバーに挑戦してみたい方にとって、今はまさに需要回復のチャンスといえます。これからますますインバウンドが活性化されるため、タクシードライバーは求められています。
タクシードライバーに挑戦してみたい方は、ぜひこの機会に「タクルート」をご活用ください。
【参考】
・国土交通省
https://www.mlit.go.jp/kankocho/siryou/toukei/in_out.html
・日本政府観光局
https://www.jnto.go.jp/statistics/data/visitors-statistics/
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