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40時限→29時限へ 二種免許取得時間短縮でタクシードライバー不足解消に新たな一手(2025/6/4 修正)

タクシードライバーになるために必要な「普通第二種免許」。未経験者など「普通第二種免許」を持っていない人はタクシー会社に入社後に教習所に通い、免許取得後にドライバーデビューとなります。実はこの「普通第二種免許」取得に関して、新たな方針が発表されました。

2025年4月、警察庁はタクシードライバーの「普通第二種免許」の教習時間を現在の40時限から29時限に減らす方針を固めました。現在、パブリックコメントで意見を募っています。今後はパブリックコメントも参考にしながら、道路交通法の規則を改正し、9月からの施行を計画しています。

「普通第二種免許」取得時間の削減には、どのような背景があるのでしょうか?今回は「普通二種免許」の取得時間削減について、詳細を紹介していきます。

タクシー業界の人手不足解消のため「普通第二種免許」を取得しやすく

最短で3日で卒業が可能に!

「普通第二種免許」は、タクシーやハイヤーなど「客を運ぶ車を運転するため」、また有償で運送を行う場合などに必要な免許。警察庁の発表の背景には、タクシー業界の人手不足があります。国土交通省によると、2022年度のタクシードライバー数は24万1951人。この10年間で12万人余り減少しました。

「普通第二種免許」を教習所で取得するためには、まず「普通第一種免許」を取得したあと、1回50分の教習を40時限、時間にすると約33時間分の学科と技能の教習を受ける必要があります。しかし二種免許の保有者は2024年時点で約154万人。この5年間で約20万人減っています。さらにタクシードライバー不足ということもあり、タクシーの業界団体からは「教習時間を短縮し免許を取得しやすくしてほしい」と要望が出されていました。

その結果、2025年4月に警察庁は「普通第二種免許」の教習時間を現在の学科+技能教習の合計40時限から11時限分(時間にすると約9時間分)減らし、29時限にする方針を固めたのです。具体的には「普通第一種免許」を取得する際の教習と重複している分野について削減や短縮を行い、学科教習を19時限から17時限に、技能教習を21時限から12時限に減らします。警察庁が1~2月に、東京都内や埼玉県などで、「(1日の)上限時間の引き上げに伴う疲労度の変化」を調べる実験を行ったところ、影響は見られなかったといいます。

これまでの技能教習は合計21時限の受講が必要で、1日あたり3時限が上限。そのため最短7日日で取得可能でした。しかし2024年の改正案では1日あたり4時限まで受けられるよう上限を緩和し、最短で6日(より正確に言うと、5日と1時限)で取得が可能になりました。そしてこのたび2025年の改正で、最短教習日数が現行の6日から3日に短縮されたのです。

■現行 (学科+技能合計40時限)
・学科教習=19時限(第一段階7時限+第二段階12時限)
・技能教習=21時限(第一段階8時限+第二段階13時限)

最短教習日数:6日

■改正案(学科+技能合計29時限)
・学科教習=17時限(第一段階6時限+第二段階11時限)
・技能教習=12時限(第一段階3時限+第二段階9時限)

最短教習日数:3日

引用元: 警察庁 普通第二種免許に係る教習カリキュラムの見直しについて

 

施行は2025年9月を予定しています。ただし、仮に3日間で教習所を卒業できたとしても、実際はその後に運転免許センターで学科試験の受験が必要なため、「3日での免許取得」は難しいでしょう。

 

年齢の引き下げや地理試験の廃止など柔軟に変化

「普通第二種免許」に関しては2022年に、受験できる年齢が21歳から19歳以上に引き下げられました。さらに2024年からは、外国人も受験しやすいよう試験問題が英語や中国語など20言語に対応するようになりました。また、国土交通省が課す試験も簡略化されており、営業区域の地理を理解しているか確かめる「地理試験」と、関係法令の理解度をはかる「法令試験」のうち、カーナビの普及などを背景として「地理試験」を2024年に廃止しています。

今回の教習時間の短縮でさらに免許教習の効率化を促進し、タクシードライバーの確保を目指します。また同じタイミングで、バス向けの大型二種免許と中型二種免許の教習もそれぞれ1時限減らします。

受験しやすく、短い期間で取得できるようになる「普通第二種免許」。二種免許取得者が増えることで、タクシードライバーの増加に期待が持てるかもしれません。一方、今までよりも取得しやすくなっているからこそ、安全のためにも各タクシー会社による研修や独自のフォロー、育成などはますます重要になってくるでしょう。

タクシードライバーへの転職を後押し

今回は、「普通第二種免許」取得時間の削減についてご紹介しました。これからタクシードライバーを目指す未経験の方にとっては、「普通第二種免許」の負担が減り、挑戦しやすくなるかもしれません。

タクシードライバーに興味のある方は、ぜひタクルートから求人をチェックしてみてくださいね。

【情報に一部誤りがあったため、2025年6月4日に情報を加筆・修正し、再公開しました。】

 

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